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風邪は大病!? 頸髄損傷には死活問題な病気【前編】

こんにちは!
車いすユーザーのカクテルです。

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今回は、健常者にとっては「ちょっとダルイ」くらいで済む『風邪』が、頸髄損傷者にとってはいかにヤバイ病気か、綴ってみたいと思います。

風邪の一般的症状

一般的にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰(たん)、発熱などの症状があり、4日から1週間程度で治ることが多く、発熱が3日以上続くことはほとんど無いようです。人が1年間に風邪をひく回数は、平均3~6回といわれています(意外と多い!)。

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私は障害者になってから、オペ後の合併症で肺炎を体験したあと、シャバに出てから4度の風邪1度のインフルエンザにかかったことがあります。

「意外と少ないじゃん」と思ったあなた!(←誰)

これは、肺炎でとても苦しい思いをし、1度目にかかった風邪であのときの肺炎の苦しさが蘇るほどの死ぬ思いをし「もう絶対に風邪なんてひきたくない……!!!」と思った末にメチャクチャ予防した結果です。それでもやっぱり、長いこと生きているとかかってしまうんですよね……(泣)。

どんな体験をしたか

それでは、詳細をご説明させていただきます。

風邪症状・1回目

いきなり詳細を忘れたけど、普通に風邪をひきました。咳からくる風邪でした。

呼吸に使われる筋肉は『横隔膜・肋間筋・腹筋』の3種類があります。頸髄損傷者の多くは、このうちの2つの筋肉『肋間筋・腹筋』が機能しません。横隔膜だけで咳をして、痰を出さないと詰まっていき、肺炎になったり、窒息します(頸髄損傷でも損傷部位が今の私より少し上だと、横隔膜も機能せず、人工呼吸器がないと生きていけない方もいます)。

 

私自身、障害を負ってからの風邪は初めてだったこともあり、かなりナメてました。

 

すると、呼吸筋が弱すぎて咳がうまく出せず、空咳をしていたせいで喉を傷つけてしまい炎症。喉が痛いから咳に力が入らない……。その間に痰は着実に溜まっていき、絡みやすくなっていきました。

 

普通なら一度強く咳払いすれば気管の通りは良くなるのでしょうけど、それができずに粘着質な痰が気管を塞ぎつつあり、呼吸困難になります。一日中ずっと、洗面所で自分の腕をみぞおち周辺と洗面台の裏側に突っ張り棒のように引っ掛けて、咳をするタイミングで圧迫して咳の補助しつつ、苦しくて涙目になりながら何とかできる限り痰を出していきます。炎症を起こした喉から血を出しながら……(苦笑)

 

当時、内科のカルテがあったのは大きい病院のみで、頸髄損傷者だということも分かっているはずなので、その病院に頑張って行きました。ティッシュとスーパーのレジ袋を抱えて……(爆)

 

診断では「風邪の初期症状、またはもう治りかけなので、咳止め、痰切り薬を1週間分出しておきます」と言われます。でも私は初期症状ほど軽い風邪にも負けている状況なので、「抗生物質出してほしいです」と抗議したけど無駄でした。

 

そして1週間……治りません。

薬が無くなり、その大きい病院は本人が行って診察を受けないと薬を出してもらえないので、家族に連れて行ってもらいます。またティッシュとスーパーのレジ袋を抱えて……

 

院内で痰が詰まったときは、洗面台のような引っ掛ける部分がないので息ができなくなります。もがいている私に家族が気づいて、みぞおち周辺を押してもらって何とか復活しますが、自分のタイミングとはズレるので、より一層疲れます。

 

長いこと待たされてやっと診察。

診断では「うーーーん。もうほとんど治ってるはずなんだけどねぇ。マイコプラズマ肺炎でもなかったしねぇ」と、2週間分の前回と同じ薬を処方されます。今回も抗生物質は却下。

 

そして2週間……まあ、治りませんよね。

この間、車いすに乗っていれば洗面台を使って自分で排痰のコントロールができますが、ベッドに寝てしまうと腹筋の補助をする術がありません。なので朝起きると、痰が詰まって呼吸が止まることから始まります

 

「ひっ……」と呼吸ができなくなって、薄れゆく意識……。緊急時用に、携帯電話をあとワンプッシュで家族へ通話できるようセットしてあったボタンを何とか押し、「息ができなくても多少は平気……」と自分を落ち着かせながら待っていると、駆け足で家族が部屋に来て、肋骨をぎゅうぎゅうとスクイージング(参考:看護roo!)して助けてくれ、何とか無事に1日を始められます(参考動画のような優しいものでは無理なので、結構激しめに絞って助けてくれていました笑)。

 

こんな日が何日続いたことか。この時期は毎晩、「明日、死んでるかもしれないな……」と思いながら眠りについていました。

 

3度目の通院で、私は遂にブチ切れました。

「だからさあ!! 抗生物質出してもらわないと治らないんだってば!!!」と(笑)。

そしてやっと抗生物質を出してもらい、快方に向かいます。約1カ月以上、風邪症状(主に咳、排痰)対応が1日を占め、死が真隣にある緊迫感を感じながら、機能している肩回りの筋力はすべて排痰に使っているのでバッリバリに筋肉痛。もう辛くて仕方なかったです。やっと治り始めたと実感した頃は涙が出そうでした(実際、泣いてたかも)。

風邪症状・2回目

そんな1回目の風邪を教訓に、「もう二度と風邪をひくまい」と神経質になります(笑)。ですが、別件で入院したときに悲劇は起こりました。

 

温度管理をされる特殊なベッドに乗っていたのですが、お風呂に入っている間にベッドの差し替えをしたらしく、新しいベッドの温度がスタッフのミスでかなり低く設定されたままでした。

 

私は胸から下の感覚がないので、温度も感知することができません。頭から肩は枕が入っていたおかげか、冷たさを感じることができず、数時間そのままに……。

 

すると冷えきった体から循環されてくる血液でなのか、だんだん震えが止まらなくなります。ここで初めて、「何かがおかしい」と看護師さんを呼んで確認してもらうことに。数人の看護師さんが色々と原因を探り、最終的にやっと見つけた凡ミスが『温度設定』

 

急いで温度を上げて厚い布団をかけるなど色々な対応をしてもらいましたが、時すでに遅し……。夜には風邪症状が始まりました。そのときは悪寒と鼻水が初症状だった気がしますが、咳は前回のことがあったからなるべくしないようにして、鼻水も寝ている状態なので喉に流れていくのを何とか痰として出すように頑張りました(呼吸筋が機能しないので、鼻も満足にかめないのです泣)。もうティッシュが勿体ないとか言ってられない……!!

 

蘇る恐怖。

 

そしてナースコールで呼び出した看護師さんに、薬を早めに出してほしい旨を伝えます。……が、その日の当直は看護師さんたちの中でも有名だった『ちょっと変わっている先生』だったらしく(笑)。

 

「一応、伝えてはみるけど、期待しないで……ごめん」とまで言われます(爆)。

 

そして当直医が登場~。専門は内科で、私の障害のことはあまり詳しくないようでした。

 

私が泣きそうになりながら症状を伝えて薬を出してほしいと言うと、「でもね、今の主流は自己免疫で治すことなの。様子を見ましょうね~」と言って去っていきました。

 

ええええーーー!??

自己免疫で治らないのは1回目の風邪で体験済みですけど!!

それも今、伝えましたよね!?

人の話聞いてましたーーーー!??

 

一夜、死ぬ思いで(ほとんど眠れずに)耐えました。看護師さんも辛さは分かっているから、忙しいながらも助けに来てくれたり、主治医が来たら朝一で私のところに来るよう伝言もしてくれていました。

 

朝、主治医登場私、半べそで訴える(笑)

「分かった。すぐ抗生物質出すから、来たらすぐ飲んで」と言って、ナースステーションへ向かう主治医。滞在時間、たぶん3分もなかった気がする。医師によってこんなにも違う対応。症状だけで判断するのではなく、障害も考慮して処方してほしい、ホント。

 

これでやっと落ち着いていきます……。

 

あまりに長くなってしまったので、続きは後編へ……。

因みに、経験も積んで徐々に風邪をひいても大事にはならなくなっていきます(笑)!

 

 

 

最後まで読んでくれて、有難うございました♪

cocktail